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さあやって参りましたぷう。のお得意ネタの一つ、読書モノ。
今回は読んでいるあなたが「あーそれ読んだ」と言えないであろう逸品です。

その名は…

ロレンス・スターン トリストラム・シャンディ 1969年 岩波文庫

こいつはすげーですぞ。
原作は全9巻、日本ではそれを3冊にまとめて出版されています。
あの夏目漱石も衝撃を受けたというこの作品、
全編くまなくとめどなくただひたすらに全力で脱線し続けるのです。

形としてはシャンディ氏が自分の生涯と意見をまとめた、というスタイルになっています。
もしあなたが自分の生涯をまとめるとすれば、どんなシーンから書きますか?

…この小説では受精する前から書き始めます。
そんな馬鹿な!いえ、本当の話。
しかもそんなのは序の口なのです。

すんなり自分の人生を語るかと思いきや、
「自分を取り上げた産婆さんを何かと手助けしていた神父さん」の死を悼んで、
2ページ真っ黒に塗り潰したり、
シャンディ氏の家庭教師になった青年が、幼い頃如何に父と死に別れたかを延々書いたり、
地の文でシャンディと読者が討論したり、
あまつさえ「今後の展開は読者が考えて」と言い放ったり、
たった1行しかない章があったり、
章そのものが無かったり、
登場人物が「ボヘミアの王と7つの城の話」を始めると最初の1行ほどで必ず横槍が入り中断し、
それを5回も(5章かけて)語ろうと試みたものの、
結局最初の1行しか語られなかったり、
主人公のおじさんが如何に杖を振ったかを曲線でウネウネ描いたり!
今までのあらすじをこれまたウネウネ曲線で表現したり!
(これがまた子供の落書きみたいな線で…)

ね、スゴイでしょ。
全編こうです。
余りの脱線っぷりに、主人公シャンディがこの世に生まれるのは3巻の終わりごろ。
全9巻なのに!
6巻が終了しても、シャンディはまだ少年です。
全9巻なのに!

間違いなく今年読んだ中でトップのトンデモ小説です。
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