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1951年。
フランス人のボンバール医師が漂流に関する実験を行う。
彼の疑問は「真水が不足している状態で漂流したらどうすればいい?」

漂流中、海水を飲んではいけないのは皆さんも知っての通り。
過剰な塩分は腎炎を発症させ、死亡する。

ボンバールは考える。
・人間はナトリウムが必要だ→
・ナトリウムは基本、塩化ナトリウム(食塩)から摂取している→
・腎臓に負担が出ない量の海水なら、飲んでいいのでは?

ボンバールは救命ボートに乗り、食料&水無しで生き延びる、という実験を試みる。
実験への参加を名乗り出たヨットマンのジャック(…またジャック?)と共に、
ボートは沖に出る。
最初の10日間、彼らは1度に2~3口・日に8~9回、海水だけを飲んだ。

その後は魚を釣り、その体液を飲む事でボンバールは生きた。
防水布で雨水を受け、それを飲む事にも挑戦したが
防水布の表面には塩がびっしり付いていたため、
集めた雨水は海水より塩辛かった

ボンバールは壊血病対策も考えていた。
前述した通り、人間は体内でビタミンCを作り出せない。
クジラも体内でビタミンCを作り出せない…が、壊血病にはならない。
という事は、クジラの真似をすれば良いのでは…?
ボンバールは目の細かい網を使い、
海面をすくってプランクトンを食べた。
(これは大正解だった)

65日間の漂流から彼は生還したが、
体重は25kg減った。
この実験からは「海水を飲んでも良い(ただし少量)」という結果が導き出されるが
今の所、それは浸透していない。
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