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整備マニュアルでは、
フロントガラスは8Dボルトを使用すべき場所だったのです。
でもいつからか7Dボルトを混ぜて使用していた。
8Dボルトに比べて僅かに短い7Dボルトですが、
とりあえず異常は無いまま飛行出来ていた。

すみす(仮名)は
7Dボルトが使われていたんだから7Dボルトを使う」と判断しましたが
これもマズかった。
マニュアルを再度読めば良かった。

パーツセンターは部品の整理がされておらず、照明も暗かった。
この時すみす(仮名)が手に取ったのは本来の8Dではなく、
また(誤って)今まで使われていた7Dでも無い8Cサイズのボルトだった。

8Cボルトは7Dよりも僅かに直径が短かった。

それでもこれを実際に使えば、異常には気付くはずだった。
何せ直径が短く、簡単にネジ込めるんだから。
でも不安定な姿勢で整備を行っていたため、力加減の変化に気付かなかった。

結果…飛行機のフロントガラスは
90本中6本の正規ボルト・8D
84本のスカスカボルト・8Cで固定され、飛び立った。

そして飛行中に全てのボルトは吹き飛んだ。




フロントガラスが吹き飛んだ事で、コクピット内の空気は機外へ吸い出される。
続いて客室の空気も吸い出される。
(もちろんコクピット通路のドアを吹き飛ばして、である。一説には2500kgの風圧だったとか)

この強烈な風で機長まで吸い出された。
…いや、吸い出される手前だった。
足が操縦桿に引っかかったのだ。
でも機長の上半身は既に窓の外!
客室乗務員が機長を掴み(腰を掴んでいたが徐々に吸い出されるので最後は足首を掴んでいたと言う)
副操縦士がエンジン出力を下げ、18分後に着陸。

秒速176m・気温マイナス18度の空間に晒された機長だが
凍傷と骨折で生存。乗客も無事だった。
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