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東海林さだお うなぎの丸かじり 朝日新聞社



ユルくてついつい微笑んでしまうタベモノ本、「○○の丸かじり」シリーズの1冊。

椎名誠のように異文化の食事を体験するで無く、
嵐山光三郎のように粋を追求するで無く、
実にサラリーマン的と言いましょうか庶民的と言いましょうか。
皆さんも「あー…ねー…」と思ってしまうシーンが一杯。

定食屋で具材が入っていないかのような味噌汁をひと混ぜしたら、
ペラペラのワカメが浮かんできた時の「お約束的安心感」であるとか。
(豪華な具材が浮かんできてはダメなのだ)

カレーライスのカレーのシルは少なすぎる、
この飽食の時代に不足に怯えながら食べる食事なんて
カレーぐらいのものだ、という「憤り」であるとか。
(牛丼なんてツユダク指定が出来るじゃないか)

炒飯は天辺を崩す、焼そばは軽く持ち上げてほぐす、
ラーメンの叉焼をめくって見る、という「儀式」であるとか。

天丼最初の一口を「海老」から始めるという「挑戦」
ついついインゲンから始めてしまいやむなく作戦変更、
「一本目の海老を食べ終えていないのに二本目に噛み付く」という暴挙(?)に至る、とか。

こんなユルいエッセイが山盛り。
皆さんも「あー…ねー…」と思って頂けたでしょうか。


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