×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
第一次世界大戦中の1917年12月、カナダのハリファックス港。
フランスの船・モンブラン号と
ベルギーの船・イモ号が衝突した。
モンブラン号には様々な火薬が積み込まれていたが、
ドイツの潜水艦攻撃に晒される危険性を考慮し
「危険物積んでます」の旗を出していなかった。
港に入ろうとしたイモ号と、港から出ようとしていたモンブラン号。
優先進路と慣例を勘違いして接触。
特に大ダメージな接触ではなかったが、
モンブラン号の甲板に積んであったベンゼンのドラム缶が横転、漏れ出した。
ベンゼンは極めて強い揮発性、引火性を持つ液体。
火花が引火し、燃え始めたベンゼンを消火する手立てが無く、船員はそのまま脱出。
逃げながら「爆発するぞ!」と叫んでいたらしいが、
船員の言語がフランス語だったため理解出来る者がおらず、
避難は行われなかった。
さらに「危険物運んでいます」の旗も無かったので
見物客は誰も危険性を把握出来ていなかった。
船員を失い煙の立ち上るモンブラン号はゆっくりと港内に到着し、
そして爆発した。
爆発時の衝撃は爆心地を中心に波紋のように広がる。
地面に置いた火薬が爆発した場合、
下方に向かう衝撃波は地面を振動させる事に消費され、消える。
(あるいは土を掘る事に消費され、消える)
しかし地面から離れた場所=空中で爆発した場合、
爆心地から広がる衝撃波のみならず、
十分に地面を振動させられなかった衝撃波が消えず、
地面に当たって跳ね返るカタチで広がる。
爆心地から普通に広がる衝撃波と、
爆心地の下の地面から広がる衝撃波。
この2つが重なる事で破壊力は倍増する。
これと同じ現象がモンブラン号で発生。
2km四方を廃墟とし、
搭載されていた大砲は4km、
錨の破片(500kg)は5km先まで飛んだ。
発生した黒煙は7000m上空にまで到達、
爆発の衝撃で18mの津波も発生。
窓ガラスの破片で1000人近くが失明。
そのうち200名は両目の失明。
(100km離れた建物の窓ガラスですら粉々になった)
さらに翌日からは運悪く猛吹雪となった。
衝撃波・火災・津波・吹雪という4つのダメージを受けて港は壊滅。
爆発直後の死者1500名、
数日以内にさらに400名が死亡した。
後年、核爆弾の研究者が
核爆発の衝撃波がどう伝播するか、を研究する上で
この事故をベースにした。
広島原爆や
かつて米軍が持っていた「デイジーカッター」も
「衝撃波を重ねる」技術の産物である。
デイジーカッター
・ジャングルの樹を一気になぎ倒してヘリポートにする
・広範囲に埋設された地雷を一気に処理する
…などの用途に使われた。
後者を目撃した兵士が「核兵器が使われた」と誤解したほどの威力。
フランスの船・モンブラン号と
ベルギーの船・イモ号が衝突した。
モンブラン号には様々な火薬が積み込まれていたが、
ドイツの潜水艦攻撃に晒される危険性を考慮し
「危険物積んでます」の旗を出していなかった。
港に入ろうとしたイモ号と、港から出ようとしていたモンブラン号。
優先進路と慣例を勘違いして接触。
特に大ダメージな接触ではなかったが、
モンブラン号の甲板に積んであったベンゼンのドラム缶が横転、漏れ出した。
ベンゼンは極めて強い揮発性、引火性を持つ液体。
火花が引火し、燃え始めたベンゼンを消火する手立てが無く、船員はそのまま脱出。
逃げながら「爆発するぞ!」と叫んでいたらしいが、
船員の言語がフランス語だったため理解出来る者がおらず、
避難は行われなかった。
さらに「危険物運んでいます」の旗も無かったので
見物客は誰も危険性を把握出来ていなかった。
船員を失い煙の立ち上るモンブラン号はゆっくりと港内に到着し、
そして爆発した。
爆発時の衝撃は爆心地を中心に波紋のように広がる。
地面に置いた火薬が爆発した場合、
下方に向かう衝撃波は地面を振動させる事に消費され、消える。
(あるいは土を掘る事に消費され、消える)
しかし地面から離れた場所=空中で爆発した場合、
爆心地から広がる衝撃波のみならず、
十分に地面を振動させられなかった衝撃波が消えず、
地面に当たって跳ね返るカタチで広がる。
爆心地から普通に広がる衝撃波と、
爆心地の下の地面から広がる衝撃波。
この2つが重なる事で破壊力は倍増する。
これと同じ現象がモンブラン号で発生。
2km四方を廃墟とし、
搭載されていた大砲は4km、
錨の破片(500kg)は5km先まで飛んだ。
発生した黒煙は7000m上空にまで到達、
爆発の衝撃で18mの津波も発生。
窓ガラスの破片で1000人近くが失明。
そのうち200名は両目の失明。
(100km離れた建物の窓ガラスですら粉々になった)
さらに翌日からは運悪く猛吹雪となった。
衝撃波・火災・津波・吹雪という4つのダメージを受けて港は壊滅。
爆発直後の死者1500名、
数日以内にさらに400名が死亡した。
後年、核爆弾の研究者が
核爆発の衝撃波がどう伝播するか、を研究する上で
この事故をベースにした。
広島原爆や
かつて米軍が持っていた「デイジーカッター」も
「衝撃波を重ねる」技術の産物である。
デイジーカッター
・ジャングルの樹を一気になぎ倒してヘリポートにする
・広範囲に埋設された地雷を一気に処理する
…などの用途に使われた。
後者を目撃した兵士が「核兵器が使われた」と誤解したほどの威力。
PR