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さて、再び「乳房X線検査」(マンモグラフィ)について少しお話しましょう。

この検査を受けると、乳がんになっているかどうか分かる!…というのがマンモ検査の売り。

おっとここ、大事なとこですよ。
マンモ検査は乳がんを治療する方法ではありません。
あくまでも早期発見するための検査です。
では、マンモ検査を受けるとどれくらい死亡者が減るのでしょうか。
こういうデータがあります。




40歳の女性を1000人づつ、2チーム集めます。
Aチームはマンモ検査を受けません。
Bチームはマンモ検査を受けます。

Aチームに属する1000人は、
確率では今後10年以内に乳がんで死ぬ人が4人出ることになります。

Bチームはマンモ検査のおかげで治療が早く始まり…
確率では今後10年以内に乳がんで死ぬ人が3人出ることになります。

んんん?思ったよりもパッとしない結果ですね。
早期発見すればバッチリ治る…のではなさそうです。
でもだからと言って偉い人は「マンモ検査はほとんど無駄!」とは言いません。
上手いキャッチフレーズで煽るのです。

A 4人→3人に減ったんですから、 「10年以内に乳ガンで死ぬ確率を25%下げます!」
B 検査を受けたのは1000人ですから、「検診者中の0.1%の人が乳がんを克服!」
C 1人を救うために検査を受けたのは1000人ですから、「1000人に1人を救えます!」
D 1人の寿命が10年間以上伸びたので、「検診者の寿命は平均で12日間以上延びます!」

どれも同じ事象を表現しているはずですが、随分と印象が異なりませんか?
特にAとCだととても同じ事象だとは思えません。
Bだとキャッチフレーズとしては逆効果っぽいでしょ。



マンモ検査で救われる命があるのは確かです。
しかし擬陽性、検査代金、X線被爆、時間、様々なリスクもあるのです。
それらを十分知り、さらに確率論を十分知ってから判断したいものです。



大河連載日記・確率論は以上で終了で御座います。
0.000…%、なんて表現も困ったもんですが、
文章にすれば誤解が無くなるかというとそうでもないのです。
皆様もくれぐれも数字に騙されませぬよう。



今回の日記は
ゲルト・ギーゲレンツァー 数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活 早川書房
…が元ネタで御座います。
ご一読あれ。

明日の日記からは普段通りのダラダラ系(笑)に戻りますのでご安心を。
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