ビタミンＣ・その１

かつて、ビタミンＣ不足から起きる「壊血病」は謎の病であった。
長い航海に出ると、９割の船員がこれで死ぬ事すらあった。
１６００年頃、東インド会社はこの病気がレモンジュースで防げる事を知っており、
寄港先に柑橘類の果樹園も作らせていた。
しかし、壊血病が起きなくなると人々はその危険性を忘れ、
柑橘類の仕入れを渋り、レモンジュースで防いでいたという知識も失われ、
病は再び猛威を振るった。

１７５３年、リンドが実験を行う。
様々な食事を試し、壊血病の治療法を探した。
・アルコールと硫酸の混合液を飲ませる
・海水を１日に約５００ｍｌ飲ませる
・酢漬けの食品を食べさせ、酢も飲ませる
…などなど。
結果、「オレンジとレモンが効果的である」という結論を導き出し、
果汁をシロップとして、それをジュースにして飲ませる方法を提案したが、
この実験は世の中から無視された。