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昔まとめた記事なんですが、再利用。

カイロプラクティック
19世紀末に開発された治療法。
脊椎を手で調整する事により治療を行う。
脊椎に刺激を与える事で神経系統を刺激し、体の各部位の不調が治る(と認識されている)。
基本は腰痛、頸痛だが中にはアレルギーや喘息まで治る、と豪語する者も。

カイロ施術を行う人間は特にアメリカで多く、
現在10万人以上。

まず、椎骨…
上から順番に、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎5個、尾椎4個の計33個の骨。
…これらが左右対称かどうか、可動具合はどうかなどをチェックする。
海外ではレントゲン撮影やMRI画像を元にチェックする事が多い。
椎骨にズレがあった場合は手でこれを整復する。

整復は、場合によってはかなり激しいモノにもなる。
通常、関節は自らの意思で可動出来る範囲が決まっている。(第一)
外部から圧力を加えればさらに可動範囲は広がる。(第二)
この広がった可動範囲を超えて、さらに圧力をかける事がある。(第三)
第三段階は、いわゆる指がポキポキ鳴る時の状況。
カイロは第三段階まで行う事がある。

1845年、カナダのトロント近郊に生まれたダニエル・デイビッド・パーマーは、
心霊治療・磁気治療に興味を持っていたが、ある日1人の患者と出会った。
彼は体をかがめた時に急に腰に不調を覚え、それ以来耳が聞こえなくなったのだと言う。
パーマーは椎骨のズレが原因ではないかと考え、
整復すると男性の聴力が戻った。
またある時、心臓病に悩む患者がやってきた。
椎骨のズレが確認されたのでこれを整復すると、心臓病は治った。

ひょっとして、万病の原因は椎骨のズレにあるのではないか。
(聴力から心臓病まで治ったのだから!)
そう考えたパーマーはギリシャ語の「ケイル」(手)と「プラクシス」(行う)から、
この整復を「カイロプラクティック」と名付けた。
パーマーはこう発言している。
「あらゆる病気の95%は椎骨のズレによって生じている」

問題は、ではなぜ椎骨がズレると病気が発生するのか…であるが、
パーマーは椎骨のズレ(サブラクセーション)が存在すると、
身体の動きを導くエネルギーである「イネイト・インテリジェンス」が阻害されるため、と解釈した。

当時、未知のエネルギーを持ち出して説明するというパーマーの姿勢は
医学というよりは宗教、哲学に近いと受け止められていた。
当のパーマー自身も
「カイロは科学であり治療技術であり哲学であり宗教である」
「(自分は)キリスト、ムハンマド、ジョセフ・スミス、マルティン・ルターと同列である」
…と発言している。
かなり、トンでますね。

パーマーが細菌説を否定し、細菌による発病もカイロ施術で治せると発言した事でカイロ批判は激化。
最終的に裁判沙汰となり、実刑判決→服役。
服役期間中は息子のB・J・パーマーがリーダーとなったが、
父の出所祝いの祝賀パレード最中に父を轢いた。
数週間後、D・D・パーマーは死亡。
カイロ運動の主導権争いから2人は対立しており、わざと殺したという見解もある。

初期のカイロは決して腰痛治療のための医療ではなく、
トンデモ理論に基づいた
難聴、心臓病、はしか、性機能不全まで治すというかなりアレな存在だった事が分かる。

跡を継いだB・J・パーマーは、
サブラクセーション(椎骨のズレ)を検出する不思議マシン「ニューロカロメーター」を販売する。
実際は単なる温度測定器で1個100ドル相当のマシンだが
10年間レンタル2200ドルで取引していた事も。(当時、アイオワ州に家が買える値段)
他にも患者の体調がメーターの振れで分かる「Eメーター」、
治療の効果があったかどうかが患者の筋肉の緊張で分かるという「応用運動療法」など
批判を受けるような行為を次々と行った。

アメリカの医師協会はこれらを徹底的に批判し、多くを訴訟に持ち込んだが、
逆に「カイロを排除して市場を独占したがっている」という裁判が発生。
これに負けた事で「カイロ関係者と共同作業を行う事を拒否する権利」などが失われた。
しかし結果的にこれが通常医療とカイロの溝を埋める形となり、
通常医療がカイロを研究するきっかけにも繋がった。

カイロ側も
DDパーマーのイネイト・インテリジェンスが云々、
病気の95%が治せる云々をそのまま信じる「ストレート」と、
通常医療の考えを取り込んで、
(整復で治る可能性のある)腰痛や頚痛治療に特化した「ミキサー」に二分された。

…で、結局のところ、椎骨のズレで病気は起こるのだろうか?
そしてカイロの整復で治るのだろうか?

(つづく)
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