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ニョッキ「ぷう。の旦那ァ!ぷう。の旦那ァ!」

ぷう。 『はいはい、どうしましたかナ』

ニョッキ「ちょいとお尋ねしてェ事があるんで」

ぷう。 『はいはい、何についてで御座いますかな』

ニョッキ「ウドン!ウドンでさァ!」

ぷう。 『ほう、ウドンで御座いますか。カレーに必須の黄色いアレ』

ニョッキ「そいつァウコン」

ぷう。 『さみだれや 大河を前に 家二軒』

ニョッキ「そいつァ蕪村」

ぷう。 『うーんマンダム』

ニョッキ「そいつァチャールズ・ブロンソン…ってどんどん離れてるじゃねェですか。
     そうじゃなくてウ・ド・ン。伊勢に稲庭、味噌煮込み」

ぷう。 『キツネに讃岐に洗濯機』

ニョッキ「やって来い来い大巨神…むしろアタシが大激怒ですぜ旦那」

ぷう。 『そのウドンが何か?』

ニョッキ「いや、ウドンを食べようと思ったんですがね、薬味が無くて」

ぷう。 『赤いジャージに鋭い目つき、眼鏡に黒髪2ツ分け』

ニョッキ「そいつァヤンクミ。…全く話が進みゃあしねェ」

ぷう。 『薬味が無い』

ニョッキ「無いんで。」

ぷう。 『梅肉でサッパリと』
ニョッキ「それは先おとつい」
ぷう。 『煎りゴマで香ばしく』
ニョッキ「それはおとつい」
ぷう。 『焼き海苔でシンプルに』
ニョッキ「それは昨日」

ぷう。 『ずいぶん食べてますなァ』

ニョッキ「で、ついに薬味が無くなりましてネ。一つ御知恵を拝借しようかと」

ぷう。 『なるほどなるほど…では目新しい薬味がヨロシイので』

ニョッキ「そう!あっしが食べた事無いようなのをひとつお願いしますよ!」

ぷう。 『そうですなぁ…では、江戸時代に流行った薬味などいかがでしょうか。
     ちょうど私もお昼にしようと思ってたところだ。用意するからちょっと待ってなさい』

ニョッキ「江戸時代!そりゃ凄い!じゃそいつを」








ぷう。 『はいはい出来ましたよ。遠慮せずに食べておくれ』

ニョッキ「…旦那、このウドンにかかってるのは一体何で?」

ぷう。 『胡椒ですなァ』



江戸時代はなぜか胡椒がブームで、うどんや惣菜、果てはお茶漬けにまで振り掛けてたそうですよ。
うどんに関してなら、ネギや七味よりも陳皮(ミカンの皮)や胡椒のほうがメジャーだったそうです。
それも現代で言う粉末白胡椒ではなく、粒胡椒をごく粗く砕いたモノ。
お試しアレ。
…私は試していませんけどね。
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