芸人列伝

秋田Ａスケ・Ｂスケ(あきた・えーすけ、びーすけ)
昭和２０年代にウケたコンビ。
初代Ｂスケは早世したが、２代目Ｂスケの顔が猿に似ていたことが受けた。
当時は猿顔な子供はみな「Ｂちゃん」と呼ばれたとか。
２代目Ｂスケの弟子には横山ノックがいる。

秋山右楽・左楽(あきやま・うらく、さらく)
初代左楽は右楽の実の弟。
右楽が出征した事で初代左楽は引退。
二代目左楽は病没。
三代目左楽と組んだが間もなく双方引退。
素早いネタ作りが出来るコンビ。
初代左楽と組んでいた時期はベルリンオリンピックの年で、
水泳の前畑が優勝した時の実況放送を２人で聞き、
一晩で暗記して翌日の舞台で使った。

浮世亭歌楽・ミナミサザエ(うきよてい・からく、みなみさざえ)
歌楽は酔っ払いを演じるのが得意で
サザエが諌めるというのが基本。
若かりし頃の桂ざこばが寝坊して怒られた時、やさしくかばってくれたのが歌楽。
(ただしざこばはその後も３連続で寝坊したため最後は「顔も見たくない」と言われた)

松葉屋奴・喜久奴(まつばや・やっこ、きくやっこ)
奴は男性。
初代喜久奴は実の妻。
奴はかなり変わった人で「原水爆反対」と染め抜いた羽織で舞台に上がった事も。

ミスワカナ・玉松一郎(みすわかな、たままついちろう)
ミスワカナの芸能界入りは９歳、初舞台は何と６歳。
幼い頃から舞台仕事をこなしていたため学力が育たず、かなり長い間字が読めなかった。
時勢柄、改名を迫られた時は「ミスワカナが駄目ならメスワカナにしようか」とも。
ワカナのお上品な言葉扱いがたまに荒っぽくなる所がウケた。
初代ワカナは３６歳で急死。
その後４代目ワカナまで続いた。２代目ワカナはミヤコ蝶々。
初代ワカナの弟子に森光子。

暁伸・ミスハワイ(あかつき・しん、みすはわい)
浪曲の経験がある暁が妻と組んだコンビ。
ハワイで見たフラダンスをヒントに改名。
浪曲＋漫才＋ハワイアンという異形コンビネーション。
暁が歌い、ムームーを着たハワイが大声で「アーイーヤー！」と合いの手を入れるスタイルがウケた。
芸道に厳しいコンビで、舞台での自らの持ち時間にも厳格だった。
ハワイに「ネタ時間を計る」という作業を頼まれたにも関わらず忘れていた後輩芸人に対し
「死ね！」と一喝した。(一喝されたのはよゐこの濱口)
ハワイは没したが暁は現在９３歳。現役最高齢の芸人としてピンで活動中。

オール阪神・巨人(おーる・はんしん、きょじん)
小柄で釣り好きで恐妻家の阪神と、大柄でゴルフ好きで怪力の巨人。
新作漫才を使いこなす能力が高いだけではなく、
(入場料を払わないと見れない)劇場ではＴＶで見せるネタは使わないという心配りも出来る。