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早川書房 人類が消えた世界 アラン・ワイズマン

今この瞬間、世界中の人が一瞬にして消えれば世界はどうなるか?
安易な想像ではなく、思考実験に近い状態で壮大且つ緻密に考える1冊。こ、これは面白い!

核戦争や疫病ではなく、瞬時に消えたとしたら地球はどうなるか…。
数日で都市機能は壊滅、2年で舗装やガス管が壊滅、10年で避雷針が錆び落ちて大火災、
200年で鉄橋が落ち、500年で大都会がヘラジカやハゲワシの世界に。

余りにも考える事が多く、それらに対し一つ一つ専門家の意見を元に考察して行く。
失われた植生は回復する?
野生動物が繁栄する?
家畜は生き残る?
汚染物質はいつまで残る?
都会のビルは・農村の納屋は倒壊するか?
人類の痕跡が永く残るのは暑い所か寒い所か?
永く持つ素材は?
原爆や原子力発電所は?


知らなかった事柄も非常に多い。例えば…

・家畜は野生では生き残れない。ネコは生き残る可能性アリ。馬は退化する。

・水が凍り、溶けるという変化があれば大抵の素材は破壊される。
 残りそうなのはガラスやタイル。

・NYの地下鉄は30分の降雨で水没する。雨が降らなくとも数日で水没する

・美術館は湿度調整が出来ないので絵画は全滅。陶磁器やブロンズ像はそのまま。

・1年間に6000万~8000万羽の鳥がガラス窓などにぶつかって死んでいる。
おそらく人間が絶滅した後も続く。
 
・核弾頭は落とそうが濡らそうが爆発しない。ただし材質の劣化による放射能漏れは起きる。

・アメリカにある核施設。余りに放射能汚染されすぎた物は現地に埋められた。
 今後1万年、人が近づかないように。
 ただし人間の言語は500年もすれば解読が難しくなるので
 (現代人が室町時代の言葉を分かろうか)、
 7ヶ国語の警告文と絵を掘った高さ7.5mの石碑をいくつも作り(これでも7mしかない)
 さらに同じ警告を刻んだアルミ板を敷地内のあちこちに埋めまくり、
 さらにさらに壁に警告文を掘ったダミー地下室を作り(未来の考古学者がそれ以上堀り進まないように)
 さらにさらにさらに敷地を高さ10mの壁で囲い、
 さらにさらにさらにさらに磁石やレーダー波反射素材を埋め込んでいる。
 とてつもない何かがあるぞ、という警告が伝わると信じて。

他にもプラスチック製品がどうなるかとか土壌の栄養はどうなるかとか
海を隔てた地域への生物の移動とか…。
アメリカのTIME誌でも絶賛というのがよく分かる。
いやーこれは読まないとダメだ。
今年一番のHIT。

明日の日記は「戦車・前編」。
実はおもしろいんですよ戦車。
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