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「国際kg原器」
フランス・パリの門外不出。全てのキログラムの基準。
本来は水1000cc=1kg、にしたかったが表面張力や温度に左右されやすいため、
水1000ccと同じ重さっぽい金属塊を作った。白金+イリジウム合金製。
現在は「国際kg原器を1kgとする」という逆説的なルールになっている。
金属塊のため経年劣化しその重さは微妙に変わるが、
それでも「国際kg原器を1kgとする」というルールは適用される。
扱いは厳重で、スタッフ3人が持つ鍵を使わないと扉1枚開けられない。

「日本kg原器」
メートル条約を採用した諸国に配られた「国際kg原器」のレプリカ。
正式名称は「No.6 日本国kg原器」。
茨城県つくば市に保管されており、扱いは厳重。
素手で触る事は出来ず鹿の皮で掴む。(それも処女の鹿に限る…という噂も)
鉄格子の向こう側、桐の箱に入った状態で安置されているが
何かをぶつけられないとも限らないため壁を挟んでおり、
鏡に映してでないと目視出来ない

当然「日本原器」も経年劣化するため、
約30年に1度「国際原器」と顔を合わせ、重さをチェックする。
僅かな接触も許されないので税関もフリーパス。

「日本kg副原器」
「日本原器」は日常の計測では使えないため、
日本原器と同じ重さに調整された副原器を作る。

「正標準分銅」 
副原器と同じ重さに調整された重り。
ここまでは基本的に門外不出。

「副標準分銅」 
正標準分銅と同じ重さに調整された重り。

「校正用標準分銅」
副標準分銅と(略)

「検査用標準分銅」
校正用標準分銅と(略)
ここでようやく毎日作業に使える。

「1級基準分銅」
「検査用標準分銅」と(略)
各都道府県に配布され、はかりのチェックに使われる。


日本原器を量る時は白衣+マスク。
まず、はかりにセットするまでおよそ1~2時間かかる。
すると部屋の温度が上昇し気流が乱れるため正確なデータが出ない。
そのまま放置。
外部からの振動などが少なく、気温も安定する深夜に作業再開。
(作業中は原器の側を離れられないので尿瓶も用意する)

重さが変動する要因として
・地域差(場所によって重力が違うため。北海道と九州では1.4g違う)
・水蒸気(重りの素材によって表面に付く水蒸気の量が変わる)
・空気の浮力(1kgの鉄は沈むが1kgの木は体積が大きく、浮く。
               重りの素材が変わると体積が変わり「浮こうとする力が変わる」。)
・重心の差(高い位置にある衛星は地球の重力に引っ張られにくい。
                      それと同じで重心の高い重りは軽くなる)

…これらをクリアしつつ計測するのは困難を極め、
日本原器から1級基準分銅まで量り終えるには何年もかかる。
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