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今日の1冊はこちら。

米原万里 マイナス50℃の世界 清流出版

ロシア語学科卒、通訳の経験豊富な作家。
洒落やエスプリが利き、とっつきやすく読みやすい作品を多く出すが、
惜しくも昨年5月、がんのため56歳で死去。

そんな彼女が1986年に出した本の再編集版。
およそ2ヶ月かけたシベリア横断に通訳として参加し、
小学生向けの記事として書かれた文章がメインです。

いやー面白いわコレ。

4月2日付ロシアTV局員からの手紙
「みなさんお元気ですか。こちらはもうすっかり暖かくなりました。
   外の気温はマイナス21度、暑いほどです」

米原さんが書いた返信
「東京は春だというのにまだ肌寒く、今日の気温はプラス21度です」

ね、面白いでしょ。
ちょっと色々ご紹介しましょう。
取材陣が行ったのは平均気温がマイナス50度の世界。

Q:ロシア人って、休日に何してるの?

A:狩りか釣り。

実際に米原さんが釣りに行った日はマイナス53度。
「釣った魚が三度目にピクッとする前に凍る」。

Q:やっぱりみんな滑って転んでる?

A:いいえ。

摩擦熱で雪や氷が解ける事で水の膜ができ、そのせいで転ぶのです。
マイナス50度の世界では摩擦熱がほとんど起きないので転びません。
(その後マイナス20度の都市に行った時はずいぶん尻餅つきました)

Q:今日の気温はマイナス58度。これでも洗濯物は外に干すんですか?

A:マイナス68度でも外に干します。


Q:動物はいる?

A:います。

マイナス58度の日に、馬の牧場に行ってきました。
ずんぐりしていて体毛ふさふさ。
カラダから発する水分が一瞬で凍るので、黒い馬も白くなります。
マイナス65度以下になると体調の悪い鳥が落ちてくる。
ロシア人「たかがマイナス50度ではそんな事は起きないけどね」

Q:おしっこは凍る?

A:いいえ。

マイナス65度以下になれば飛沫は雹のような氷になる。
ロシア人「たかがマイナス50度ではそんな事は起きないけどね」

Q:食べ物は?

A:特徴的。

肉料理が多く、野菜は少ない。日本で言う餃子もあります。
調理法は生、冷凍、茹でる&煮る、発酵させる、がほとんど。
生野菜はほぼジャガイモ・人参・たまねぎの3種のみ。
生き血・生肉・内臓をしっかり食べないとビタミンCが不足します。
キャベツ・キュウリは塩漬けか酢漬けが基本ですが、
キュウリ塩漬けは砂糖も酢も使わないので日本の漬物に近いです。


主に米原さんが取材したのはヤクーツク市。
地下200mくらいまで凍っているいわゆる永久凍土地帯。
夏になると地下1.5mくらいまでが解けます。
何年も解ける→凍る、を繰り返すと一般的な建築物は50年もちません。
Q:…では高層ビルは作れないのでは?

A:いいえ。
建築テクニックを駆使する事で可能なんです。
どんなカラクリが使われているのか、ちょっと想像してみて下さい。
回答は明日。
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