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昭和48年12月14日、早朝。
愛知県の○○信用金庫☆☆支店の前に並ぶ人、人、人。

預金を引き出そうとする人の列だった。



遡る事6日。

12月8日。
電車の中で会話を楽しむ女子高校生、A子・B子・C子。
A子が卒業後○○信用金庫への就職が決まった…という話題。
それを聞いたB子はからかってやろうと思ってこう言った。
「信用金庫なんて(強盗来るかもしれないから)危ないわよー」

帰宅したA子は知り合いのDに話した。
「信用金庫は危ないって言われちゃった。」

Dは親類のEに問い合わせた。
「○○信用金庫は危ないらしい」←ここで無意識に店名が加わった。

Eは行きつけの美容院でFに話した。
「○○信用金庫が危ないんだって!」

Fは親類のGに聞いてみた。
「○○信用金庫が危ないって話…知ってる?」

それをたまたま聞いた店主Hは妻のIに語って聞かせた。
「○○信用金庫は危ないらしいぞ」

6月13日、Hの店に電話を借りに来た男Jが、電話先の家族にこう言った。
「おーい、○○信金に行ってすぐ120万降ろして来てくれ!」

Jは○○信用金庫が危険などという話は全く知らない。(当然!)
ただの偶然である。
しかしIはそう思わなかった。
「…やっぱり○○信用金庫は危ないんだわ!」

こうなると行動が早い。
HとIの夫婦は大急ぎで○○信用金庫に走り、預金を引き出した。
そして友人たち20人に伝える。
この20人に中にアマチュア無線を趣味にする男がおり、
電波に乗って話は広がった。
この日、59人が殺到し5000万円が引き出された。


そして14日…。

信金の前には客がズラリ。
その頃には噂は益々増えていた。
「社員が使い込みをしたってホント!?」
「社員が5億円持ち逃げされたらしいわね」
「理事長は死んだらしい」
「理事長は自殺したんだよ」
「不況に勝てず理事長は首を吊った」…

慌てた信金が
「経営に不審のあるお客様は2Fへ…」と張り紙をすると
「今、倒産説明会が2Fで行われると聞いたんですが!」と電話が鳴り、
預金引き出しをスムーズに行うために1万円単位での払い出しに限定すると
「預金の1万円以下は切り捨てられるらしい!」と言われ
利子計算に時間がとられるため「利子は後日!とにかく元金返済します」と銘打つと
「…利子が払えないなんてやっぱヤバイんだわ」と陰口を叩かれ
雑踏整理に警察官が動員されると
「ついに立ち入り調査が入った!」と騒がれ
閉店時間になって翌日用の整理券を渡すと
「倒産する会社からこんなモノもらっても!」と怒られ…。

結局15時までに並んだ人間500人。
閉店時間が過ぎても埒があかず21時まで対応し、引き出された金額はなんと8億円。
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