韓国料理

お、お花ちゃんじゃないかい。
こんな所で会うなんて奇遇じゃないか。
どうしたんだい一体。何、体調が良くないってナそりゃいけないねぇ。
おおそうだ、オイラちょうど今から食事に行こうと思っていた所だ。
せっかくだから、体に良さそうなモノをご馳走してあげよじゃないか。
ささ、ついておいで。

そういえばお花ちゃんは川向こうに住んでいるんだったね。
あっちは大丈夫なのかねぇ。
ほら最近、ヒトだかシトだかってぇのが夜な夜な悪さしてるって話だからね。
あんたの住んでいる辺りに、アタシの知り合いがいてねェ。
東郷って偉いお侍なんだけど知らないかねェ。貸本屋の隣の。知らない？
このお侍が変っててね。昔は窓際の猫を怖がるほどだったのに
いつの間にか外国まで行ってモクジン剣とかいう剣術を極めたんだって。
いや私も良くは知らないんだけどねェ。
１対１じゃなくて、たくさんの相手と戦う剣術らしいって話だけどね。

お花ちゃんももし夜道を歩く事があるなら東郷先生に一声かければいい。
ヒトだかシトだかが出てきたって、２人で同時に蹴っ飛ばせば何とかなるってもんだ。

さあ着いたよ。



…何？
何がなんだかサッパリ分からない？
うーん…「老若男女　みんな　好きです」って書いてあるからさ、
気に入ってもらえると思ったんだけどねぇ。
お気に召さなかったなら仕方ないねェ。また今度にしようか。

…ああそうだ！お花ちゃん、今から家に帰るんだろう？
だったらアタシが手土産を用意するから、東郷先生とこにご挨拶に行っちゃどうだい。
いいかい？…何心配はいらない。東郷先生は別に人を取って喰やしないよ。

そうだね、番頭さん！この料理を持ち帰りで包んでおくれでないかい！